Memories〜私とジャズ、私と伊藤君子さん〜

ジャズクラブ「BODY & SOUL」のステージで撮影された伊藤君子さんとRikkiさんのツーショット。中央に「Memories Kokoro kara with Love by Rikki」とタイトル文字。下部には出演者写真、クラブのロゴ、マイクを持つRikkiさんの写真が並んでいる。

昔の友人と再びつながり、思い出を語り合うことほど嬉しいことはありません。
先日、友人が「ジャズを歌ってみたくて、最近ボイストレーニングを始めたの」と話してくれました。その瞬間、私の頭に真っ先に浮かんだのは、かつて“日本一の女性ジャズシンガー”と称された伊藤君子さん。すぐに「ぜひ君子さんの歌を聴いてみて」とおすすめしました。彼女の歌声は時を超えて今もなお輝き続けています。

短い期間ではありましたが私は君子さんとご一緒する機会がありました。彼女の曲の作詞を担当しクレジットにも名前を載せていただきました。それはヒット曲となり、今でもソニー・ミュージックから印税が届くたび思わず笑顔になってしまいます。

君子さんが出演していたのは、東京屈指の老舗ジャズクラブ「BODY&SOUL」。オーナーの関京子さんは、日本のジャズシーン草創期から活躍し、1965年に新宿で日本初のジャズライブハウス「JAZZ CLUB タロー」を開き、その後1974年に「ボディ&ソウル」をオープンした方です。最初は新宿にオープンしましたがすぐに六本木に移り、その後、私の家からほど近い南青山に移転しました。そして知らないうちに渋谷に移っていました。事前に場所を確認しておいて本当に良かったと思います。今のクラブは小さくて温かみがあり、ジャズの真髄である近くに感じる息づかい、魂のぬくもり、そして確かな本物の響きが漂う空間です。


BODY&SOUL
新渋谷公園通り店
〒150-0042 渋谷区宇田川町2-1 渋谷ホームズB-15
https://bodyandsoul.co.jp/

 

以前は毎月のように君子さんのライブがありましたが、最近は少し間が空くようになりました。次にステージに立たれるときは、ぜひお知らせしたいと思います。

君子さんは若くして才能を開花させ、ジャズ界を一気に駆け上がった方です。
1982年にアルバム『Birdland』でジャズデビューし、1989年にはアルバム『Follow Me』を日米同時リリース。この作品はアメリカのRadio & Records誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートで16位にランクインしました。また、『スイングジャーナル』誌の女性ボーカリスト部門で1988年から1996年まで9年連続第1位という快挙も達成しています。

私が印象深く覚えているのは、スティーブ・ガッド(ドラム)、リチャード・ティー(ピアノ)、エディ・ゴメス(ベース)といった、ジャズ史に名を刻む巨匠たちと共演する姿です。スティーブ・ガッドはポール・サイモン、チック・コリア、スティーリー・ダン、カーリー・サイモン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ベンソンなど、名だたるアーティストと共演してきた伝説のドラマー。彼は「音楽のインスピレーションは、常にジャズの感情と技術の核に立ち返ることから生まれる」と語っており、その精神はまさに君子さんにも通じるものだと思います。

ボカラトンでのイベントでは、ハリー・コニック・ジュニアなど当時の若手スターと肩を並べて歌い、NHKのスタジオで生放送されたときの華やかさも、昨日のことのようです。
しかし、やがて自ら光の当たる場所から少し距離を置き、自分らしい道を選ばれました。それでも、小さなジャズクラブで最新アルバムからの一曲「Memories」を歌う姿を目の当たりにしたとき、私は深く胸を打たれ、思わず涙がこぼれました。まるで時を超えて心に届く贈り物のようでした。


今も、君子さんは変わらぬ気品と美しさを保ち、ジャズへの情熱を歌に込めています。その一音一音に宿る優雅さと感情の深さは、まさに芸術そのものです。

ジャズは世代や国境を越え、人生の節目や日常のひとときに寄り添ってくれる音楽。
そしてその真髄を体現する声のひとつが、今も変わらず伊藤君子さんなのだと、改めて強く感じました。

 

 

 

 

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