もうすぐ迎えるお盆。それは特別で美しい季節。
日本人はあまり信仰心がないと言われています。私が育った時代、アメリカでは毎週日曜日に教会に行くことが当たり前でした。でも、だからと言って私たちが信仰が深かったわけではありません。
日本で暮らし始めてから、日本の宗教は文化に深く根付いていることに気づきました。そのことが日本人を気づかないうちにとても信心深くしていると思います。
お盆が近づいてきました。お盆は祖先の霊を敬う日本の古代信仰と仏教の習慣が融合した行事です。
アメリカでは年に一日だけそれに似た行事があり、メモリアルデーと呼びます。メモリアルデーは、国のために戦って亡くなった退役軍人を敬う日で、5月の最終月曜日に行われます。
日本に来てから、先祖を大切にすることが私に大きな影響を与えてくれました。両親の戸籍を調べる中で、養曾祖父が祖母の叔母と結婚したことを知りました。子供のいなかった養曽祖父夫婦は、私の祖母が結婚した時に祖母と祖母の夫を養子にしました。二宮という私の姓は、養曽祖父からきていたのです。
私が二宮家の血筋ではなく、養子縁組によるものであることを知ったときはかなりショックを受けました。 日本ではよくあることと聞きましたが、二宮として育った私は、それが先祖代々受け継いだ名前だと信じていました。
このことを知る前に、養曽祖父母のお墓を教えてもらって何度が訪れたことがありました。でも、名前のルーツを知ったことでお墓参りが全く違った意味を持つようになりました。
一度は本来の姓に戻すことを考えましたが、そうすると二宮家の墓を守る人がいなくなることに気づきました。私しかいなかったのです。
ある時二宮家のお墓の近くにお墓のある方と知り合い、お盆や正月、お彼岸などの節目ごとにお墓を掃除し、お花を供えてくれるようにお願いをしていました。それから10年が経った今年、変化が必要だと感じ、墓を正式に閉じて遺骨を曽祖父母の死亡が登録されている寺院に移す決断をしました。5月、その手続きを行いました。(5月のお墓じまいについてはこちらの記事「日系3世、私ことリッキー二宮のルーツ 〜祖先を尊重することで、より豊かな人生を生きる〜」をお読みください。)もうすぐ迎えるお盆には、寺院で仏教の教えに従って祖先の霊が供養されることに安堵を感じています。
日本人は、死後の世界における血縁者を大切にする点で、アメリカ人よりも信心深いと感じます。私はこの伝統を愛しており、私の祖先がきちんと供養されることを祈っています。
私にとって、一年に一度のお盆は特別で美しい季節です。