イタリアへの旅〜そこから学んだこと〜
イタリアへの旅。結婚式への参列が一番の目的でしたが、システィーナ礼拝堂を早朝お訪れ、一般の人の入館前に扉の鍵を開け明かりを灯すというツアーに参加して感動的な体験をするなど、すばらしい時間を過ごしました。
でもその一方で今回の旅には、トラウマとなる出来事がありました。
ローマからウンブリア州にある美しい結婚式場までレンタカーで向かったのですが、レンタル会社の説明では2時間程度のドライブだという話でした。
ところが目的地付近への到着まで3時間以上もかかり、またそこからも悪夢のような出来事が始まったのです。
最初、レンタル会社のアドバイスで「Waze」というアプリを使ってみましたが、道案内のタイミングがうまく掴めず最初の曲がり角を逃してしまい、ローマの街をぐるぐると回るはめに。そのため、「Waze」を諦めて、「Googleマップ」に切り替えました。
しかしGoogleマップでは有料道路を避けるルートを案内され、結果として裏道ばかり走ることになり、予定より1時間以上も延びてしまいました。やっと目的地に近づいたと思った頃、Googleマップは未舗装の道へと案内し始めましたが、イタリアの田舎道に不慣れな私は「これが普通なのかな」と思いそのまま信じて進みました。Googleマップに切り替えたおかげでローマを抜けられたので信頼していたのです。
残り数マイルとの表示があったものの、進めば進むほど道はますます荒れていき、突然石にぶつかり、車のオイル緊急ランプが点灯し、エンジンが止まってしまいました。そこは何もない場所で、自分がどこにいるのかもわからず、予定していた結婚式前夜のディナーに間に合わないことが確実となってしまいました。




午後3時半ごろでした。新郎である友人のアレックスにWhatsAppで電話しましたが、つながりません。結婚式の初日の集まりということで、彼も忙しかったのでしょう。ホテルに電話をかけてみました。
電話に出てくれた女性はとても親切で、私がパニックになっているのを察して、優しく落ち着くように気を遣ってくれました。今いる場所を尋ねられたのですが、Googleマップは私がどこにいるかさえも示してくれなくなっていたので、仕方なくGoogleマップのスクリーンショットをホテルに送りました。
それから2時間半たっても見つけてもらえず、私は「警察に連絡して、私が行方不明になったことを報告してください」とお願いしました。最終的に、ホテルのスタッフがその地域の土地所有者に連絡を取り、ようやく私の場所がわかったのです。それでも見つけてもらうのにさらに1時間以上かかりました。日は沈みかけ、あと少し遅れていたら暗闇の中でひとり怖い思いをしていたでしょう。夕方6時45分頃、まだ少し明るさが残っているうちにようやく救出されました。
助けに来てくれた方とは言葉が通じませんでしたが、彼を見た瞬間、思わず抱きしめてしまいました。あまりの嬉しさに涙が出そうでした。車のオイルタンクが破損しており、オイルが漏れていたことを教えてくれました。オイルがあたり一面に漏れていたのです。今思えば、なぜあの時車を止めなかったのかと悔やまれます。ひとつはナビを信頼し過ぎたこと、もうひとつは早く友人に会いたい一心だったからです。
今回の経験で何を学んだのか、まだ自分でも考え中です。少なくとも外国での移動にはもっと慎重にならなければいけないことを痛感しました。次回は一人旅でないことを願います。iPhoneがあったおかげで、外の世界と連絡が取れたのは本当に幸運でした。ナビがあったからそんな道に迷い込いこんでしまったのかもしれませんが。
そんなことがありましたが結婚式では友人をお祝いすることができ楽しいひとときを過ごしました。そして無事に東京に戻ってきました。すばらしい旅行であり、ハプニングも含めて忘れられない体験となりました。