🌸 誕生日の巡礼 ― 甲府への旅

人生で最も意味のある旅は、時に自分の原点へと戻る道なのかもしれません。
今年、占星術の先生が導いてくれたのは、海の向こうではなく「甲府」。
そこで信仰と家族、そして運命が交わる忘れられない出会いがありました。
身延山への誕生日巡礼
この10年間、私は占星術師のボブ・マークスに毎年相談しています。
彼は「愛、富、成功を引き寄せるために、誕生日とハーフ・バースデー(誕生日の半年後)をどこで過ごすべきか」を教えてくれます。
そして今年、彼のリーディングが示したのは初めて日本国内。甲府でした。
身延山久遠寺への導き
甲府のどこを訪ねたらよいかをGoogleで調べていたとき、日蓮宗総本山「身延山久遠寺」を勧めてくれました。祖父母は日蓮宗の信徒でした。私は長年、祖父母に対する感謝の気持ちを形にしたいと思っていました。祖父は早稲田大学への進学、Edith Green(エディス・グリーン)下院議員*との仕事、そしてハーバード大学大学院への進学・・・人生の節目ごとに静かに支えてくれました。
その恩に報いる方法をずっと探していましたが、今こそその時だと感じ、
祖父母の魂を久遠寺の本堂に奉安していただくため、法要をお願いしました。
尊き魂を讃えて
儀式は、僧侶4名と導師1名によって厳かに執り行われました。
祖父母の戒名が刻まれた2本の卒塔婆には、寺院建立に貢献した人のみに授けられる特別な漢字が添えられていました。
それを見て私は、祖父はポートランド日蓮寺の中心的な寄進者であったことを確信しました。
祖父は長年の功績を讃えられ、天皇陛下より勲章を賜っていたのです。
小さな青果店から出発し、家族で3つのスーパーマーケットを築いた私たち一族にとって大変誇り高い遺産です。
階段をのぼる
翌朝、夜明けとともに287段の石段をのぼりました。
一段の高さは約35cm、傾斜が急で上も下も見えません。
目の前の一段だけを見つめて進みます。それはまるで人生そのもの。
時には立ち止まり、休みながらも、決して後ろを振り返らずに。
頂上にたどり着いた時は謙虚な気持ちと達成感が入り混じり、新しい一年の始まりの象徴のように感じました。



信仰と感謝、そして静かな喜びに満ちた、本当に特別な誕生日となりました。

戦後、祖父母が初めて故郷の岡山・名和瀬に帰郷したときの写真です。
その際、祖父母は故郷への感謝を込めて、地域に鐘を寄贈しました。

こちらは、祖父が資金を提供し建設を支えたポートランド日蓮宗寺院の落成式の様子です。
中央で僧侶の隣に立つ、黒い着物姿の人物が祖父です。


* Edith Green(エディス・グリーン) 1910年1月17日―1987年4月21日
オレゴン州出身のアメリカ人政治家・教育者。1955年から1974年まで民主党議員として、米国下院議員を10期務める。女性問題、教育、図書館支援、社会改革を推進し、1972年の教育機会均等法の成立に重要な役割を果たした。オレゴン州から下院議員に選出された2番目の女性議員でもある。
